2013年2月17日日曜日

伊香保温泉「伊香保露天風呂」

 伊香保温泉「伊香保露天風呂」の付き合いは長い、なにしろ現在ある男女別の浴槽に仕切ってある竹で出来た柵が出来る前の、混浴風呂があって、8時以降無料で入浴できたころなので、もう四半期世紀以上になる。
 伊香保温泉というと、関東の人間には、知っている人もいるかも知れないが、そのほかの地方の人にはその規模に比べ、知らない人も多い。伊香保温泉は火山性の本格的温泉で、榛名山麓に湧く温泉で、関東平野から直ぐに登る位置して、関東平野から一番近い本格的火山温泉ともいえる、そんな位置関係から日本一広い関東平野を一望できる眺望のよさ、石段街の温泉情緒など開湯400年の古湯であり、それに裏打ちされた温泉は、もっと多くに人に来てほしい。

  伊香保露天風呂は、なんといっても温泉の鮮度が高い、露天風呂敷地内に伊香保温泉の主力源泉の通称金泉(総合泉「混合泉」)があり引き湯の距離もどの温泉利用施設よりも短く、温泉n酸化も少なく、また源泉掛け流し利用となっているので、加温加水なしで伊香保温泉そのものが味わえる、しかし歴代のここを管理する湯守と話をすると、季節や天候状況により、湯量や源泉温度、泉質が常に変化するので、湯使いが結構大変だという。
 そんなこともあって、温泉は生き物であるということ、いつも同じ刻むメトノノーム のようなものではないことを肌で感じることなど、やはり自分の原点の温泉であることである。

 伊香保温泉の特徴といえば、日本全国の、温泉饅頭の基礎となった伊香保湯ノ花饅頭が、茶色の皮でつつんだ基となった、伊香保温泉の茶色の湯色のイメージだと思う。
 ちょっと温泉を知っている人に陥りやすいことは、色で温泉を判断するひとが世の中に結構いるが、色と温泉の入浴感はまったく関係ないというのが、前々からの持論で、色が付けば温泉がいいということは、絶対にありえないし温泉の湯色と入浴感は無関係である。
 温泉とは、温泉成分が結局あるかないかだけで、温泉の入浴感が決まるということで、あまり夢のない話で申し訳ない。(視覚としての温泉作用があるのは否定でいないが)

 伊香保の温泉成分は、カルシウム・ナトリウムー硫酸塩・炭酸水素・塩化物泉と、とっても長い泉質名となており、またMg(マグネシウム)成分もかなり含まれているので、温泉の主要成分がすべて含まれているといった温泉で、このように多くの成分のある温泉は、実は自分の体調やその日気分で、毎回入浴しても、ほとんど同じ入浴感が得られないので、表現方法が難しくとらえどころがないが、いつも思うのが、ああ伊香保の湯だなと肌に馴染む温泉というのは、ここ伊香保温泉に入りすぎたためなのかと思う。

 主成分の数多くのいろいろな成分も多いが、副成分のメタケイ酸や炭酸成分もこれまた含有量が多く、メタケイ酸が181mg/kgで炭酸成分(CO2)も174mg/kgとなっており、主成分と副成分とも、温泉含有物が多く、それが伊香保温泉が名湯といわれるのだと思う。
 宿泊収容人員約2万人、草津とならび群馬2大温泉郷、巨大な温泉ホテルが乱立している、しかしここの温泉は私観ではあるが、長湯治を基本とした湯治系のお湯である、鉱泉成分が多くかつ成分も穏やかな軽い成分である、つまりは病後回復期などはこれ以上ないほど最適な湯である。
 
 とかく、短期滞在型の伊香保温泉だが、じつは底知れない実力のある温泉である、徳富蘆花が一番愛した伊香保温泉である。後年の、生涯のすべてを伊香保温泉につぎ込んだ。
そのわけは本来短期型ではなく、自分の体と相談して長湯治の長期滞在型なのである、現代の忙しい時代にゆったりとした長湯治は、なかなか出来ない、だから温泉の本来のよさがわからないのだと思う。