芦安温泉「岩園館」は、芦安温泉地域の中で、一番下のバス停のある温泉民宿地域と桃の木温泉や白峰会館のある上の地域の中間にある温泉旅館である。
芦安温泉といえば南アルプス最高峰北岳の登山基地である神峠を抜け広河原地域への玄関口で、足を延ばせば、日本を代表する自然の宝庫でもある。
芦安温泉は、桃の木温泉、白峰会館(ともに入浴済)などがあるが、ここ岩園館は独自源泉で他の芦安温泉とは温泉とは異にする。ここの温泉の特徴を箇条書きにすると、PH9.4の日本でも代表する高アルカリ泉、1000mg/Kgを超える硫酸イオン(SO4)濃度、塩化物イオン(Cl)や炭酸水素イオン(HCO3)の殆ど含まない純粋な硫酸塩泉の温泉で、純粋なる石膏芒硝泉な温泉である。
硫酸塩成分も1000mgを超えると、体にずっしりとくるのは前にも書いたが、その項に漏れずやはりここ岩園館の温泉も身体にずっしりときて、真に負荷の高い温泉である。
伊豆の温泉でも、他の地域にも石膏芒硝泉はあるが、その純度の高い硫酸塩泉の影響か、石膏泉の特徴と芒硝泉の特徴が分離されるほどのよさが味わえそれがここ岩園館の最大の入浴感でそのよさはやはり神がかりによい。
石膏泉の特徴は、石膏コーテングともいうべき肌に膜を包み込むような感触などが特徴で入浴後のしっとり感が半端でなく、しかも最上級の肌のつるつる感があり重曹泉のがさがさ感とは正反対である。そして芒硝泉の特徴の温まり感もすごく、温泉入浴の充実感といったもの最大の特徴である。両方のよさが体感できるところとは、ありそうであまりない。
そしてこの高PHのアルカリ泉で、このアルカリ泉は重曹ベースで、成分総量の少ない単純温泉が多い、そのアルカリ性の温泉としては1.4gの堂々とした温泉含有量で温泉濃度感や温泉の質感もあり温泉の奇跡ともいえるこの温泉は、山梨の温泉では一番好きな温泉である。
ともかく一言でいえば、日本最強の美人の湯である、女性の人にはぜひおすすめしたい温泉で入浴後の肌の張やしっとり感は半端ないほどで、この温泉でしかないものである、やや残念なのが建物が古く、階段のみで、お年寄りにはつらいところである。
建物さえよければ、更によい施設になるだろう、しかしこれほど良い湯は日本でも稀で、ここの温泉1湯しかないほどである。