2013年1月27日日曜日

遊亀温泉「新遊亀温泉」

 遊亀温泉は、地元では誰でも知っている遊亀公園の東端にあり細い路地を入っていくため非常に解りづらく、車のナビをセットしても、いつも間違える。もうここは10回以上来ているのに関わらず間違えるのだから、本当にわかりづらい。
 甲府市内には、温泉銭湯大国で物凄い数の温泉銭湯があったが、いく度に廃業が相次ぎ、今数えても10数件だという。その中で、何処の温泉に足繁く通っているのは、 甲府市上石田の草津温泉とここ遊亀温泉が双璧で、お湯がいいから自然と足が向く。

 甲府市の温泉といえば、温泉街を形成している湯村温泉が有名だが、中央道甲府昭和ICから竜王地区までの間に多くの温泉施設があり数からいったら断然、甲府南部のほうが数が多く、温泉銀座と化している。何処も湯使いがよく、昔甲府盆地が湖の名残で、湖底の腐葉土が熱源とあいまって、甲府盆地の南半分は、うす茶色したモール系の温泉が特徴で重曹泉が多く、北半分はモール系が少なくなり、硫酸塩成分も混じる傾向にあり、北部と南部では温泉の質が違うのが面白い。

 ここ遊亀温泉は、そんな甲府盆地の中でも、北部地域と南部地域の境で、なかなか温泉バランスのよい場所にあります。北部地域は温泉的には面白い泉質なのだが低温泉が多く、南部地域は源泉温度は高めなのだが、何処にいっても重曹系のモール泉なので泉質的には面白みに欠ける。
 遊亀温泉は、まず温泉が湯口から大量に吐き出されており、温泉がざんざこ淵から溢れ出している。温泉の鮮度は日本でも最高にあるところで、甲府市内の温泉はかなりの鮮度感のあるお湯が多いがその中でもかなり上位である。
 浴槽は三つあり、奥南側の浴槽は上から大量に掛け流され、奥北側はやや小ぶりな浴槽でちょっと絞り気味な湯使いで、その流れ込み浴槽が手前の浴槽で3つが繋がっていて、一つの浴槽みたいになっている。

 大量の湯口から流れ出しているのは、入浴感から多分加水しているのかと思う。今回は奥北側の浴槽に殆ど入浴していて、ここが多分源泉浴槽かもしれない。夏場は高温槽で入れないくらい熱いが今回いったのが冬場の厳冬期なので、やや熱いくらいで、あまり無理をせずに、入浴できたのでここの温泉の生の入浴感が得られた。
 ここは1gの重曹泉で、南部の温泉の特徴のモール泉である。このような泉質の温泉は入浴中は冷え込む成分なのが特徴である。肌も角質層が抜けてごあごあ感があり、あまり好きでない。
 そんな特徴である重曹泉だがここの温泉はそれが微塵もない、いつも不思議に思っていた。

温泉分析書をよく見ると、やはりというか、メタケイ酸成分がずば抜けて多く、150mg/kgも含有しており、メタケイ酸独特のコーテングされた肌の艶、入浴中もしっかりとした温まり感などメタケイ温泉の特徴が最大限感じる温泉である。別府のメタケイ酸の含有の多い重曹泉に相通じる名湯の香り漂う温泉で、東日本であってもハイレベルな温泉である。このハイレベルな重曹泉ぜひ入浴してみれば、重曹泉の価値観変わるかもしれない。