2013年2月3日日曜日

草津温泉「白旗の湯」 (白旗源泉)

 草津温泉「白旗の湯」は、現在観光客が利用できる3ヶ所(白旗の湯、千代の湯、地蔵の湯)の共同浴場で、湯畑より白根神社方面へ歩いてすぐの場所にある。草津温泉といえば、東日本の人なら誰でも知っている観光地だが、現在東京在住だが、東京の人に聞いたが草津温泉の名前は知っているが、実際にいった人は意外と少ないことに、驚かされる。
 群馬出身の私はというと、長いこと温泉好きが生じて、かれこれ100回以上は訪問しているほど馴染みのある温泉地で、温泉好きになった原点でもある温泉で、細かな路地も大体わかるほどだ。

 草津温泉の特徴は、標高1300mに位置しており、冬は厳寒の地ではあるが道路などの交通機関も発達しており、草津国際スキー場があり関東でも有数な規模であり多くのスキー客で賑わい、夏はその標高を利しており、避暑的な面もある。また草津温泉そのものは、上信越国立公園内でもあり、周りの自然環境も優れており、日本でも1級な自然環境であり、四季それぞれな楽しみ方がある。

 草津温泉は温泉としても1級品で、1箇所の自噴温泉としては日本一の湯畑源泉もあり、草津の中心地湯畑では、多くの観光客が訪れており、斜陽が目立つ日本の温泉街ではあるが、流石に草津温泉はやはり多くの人が訪れている。草津温泉には数多くの源泉があるが、主力源泉は湯畑、西の川原、白旗、地蔵、煮川それと湯量No1の万代紘があり、その湯量の合計はこれだけ多くの宿泊施設があるにも関わらず、十二分に足りているから凄い。

 さて白旗源泉といえば、草津No1の源泉ともいわれ、湯量が湯畑に比べ圧倒的に少なく、白旗n湯共同浴場と草津でも老舗温泉旅館のみ入浴できる貴重な源泉である。
 白旗源泉は酸性の明礬正苦味泉の硫黄泉jで、独特の明礬系の香りがします。そうあの卵の腐った匂いで、拒否反応する人もいるでしょうが草津は匂いもきつくなく、なかなかいい香りです。
 白旗の浴槽は2つあり、一つは鮮度の高いゲキ熱のやや広い浴槽で、もう一つが湯量を絞り気味の湯使いでやや小ぶりの浴槽で、どちらも加水していない湯使いで本来の白旗源泉が楽しめる。今回訪れたのは、厳冬期で、普段は両方の浴槽とも、熱いというより熱湯に近い湯使いだが寒い冬場と相まって、特に小さいほうの浴槽は殆ど適温であった、やはりこのような熱い湯使いの共同浴場は冬場にかぎる。

 白旗の湯は明礬苦味泉系の酸性硫黄泉で普通は、硬さが目立つはずだが、以前から気になっていたのは、その荒々しい泉質なのに、ここ白旗の湯は微塵もなく穏やかな入浴感が得られる。
 特に白濁した浴槽にそれが頻繁に感じられる、以前白旗の湯に一緒に入浴した地元かたが、話されていたが 、ここ白旗の湯は入浴している人の数で入浴感がちがうという。当然人が多く入浴すればお湯の酸化が増し、いっそうお湯は更に白濁する。本来なら温泉は鮮度のよいほうがいいに決まっているが、あまりにも強い温泉成分で酸化させるためお湯がこなれてくるので草津ではちょうどよい塩梅になる、草津独特の湯治で有名な時間湯も、そのようにお湯の酸化を待つ入浴法で、やはり理にかなっているものだと思う。

 もう一つはやはりメタケイ酸の効力で、最近メタケイ酸のことが少し解ってきたので言えることだが草津温泉はメタケイ酸の温泉でもあり、やはりこの成分が草津温泉では重要なファクターを占めている。硫黄泉のつるすべ感や硫酸塩泉のしっとり感、メタケイ酸のつるつる感など、その湯上りの効果っていうのが半端でなく凄い、天下の名湯草津温泉これにありといったものだ、なんていいすぎではないと思う。

 30年経って、初めて理解した本当の草津の湯の実力、伝えるのが遅すぎたかもしれない。名前は聞くが、いった事のない人が多いという、やはりここの温泉の素晴らしさを伝えるひとがあまりにも少なすぎる。是非このような奥深い素晴らしい温泉に是非入浴してほしい。
 最後に苦言をすれば、やはり共同浴場の入浴の仕方が、外から来た外来客は知らない人が多い、多分日帰り入浴施設が各地に沢山できたのが最大の要因で、日帰り入浴施設と温泉街の共同浴場は絶対の性質が違い、入浴客同士の会話等などの交流の場としての地元の方のための、共同浴場だと認識しないといけない。

 今回も、入浴するまえに、共同浴場の鉄則として挨拶したのだが、誰一人返事が返ってこなかった、以前は16あるすべての共同浴場は地元のご厚意で外来客も入浴できたが、現在解放しているのが3ヶ所になったのも、致し方ないことかもしれないが、やはり共同浴場に入れないのは残念である。

 補足しておくと、草津町民は誰とでも打ち解ける上州堅気の性格で、温泉談義をしていても排他的なところがなくて、とても好む人たちで、以前はそのおおらかさが草津の共同浴場の性格が出ていてとても好きな場所でした、そのおおらかな草津町民を怒らせる、現在の温泉文化の喪失はさびしい限りである。 2013年春にオープンする温泉施設「御座之湯」、この草津の原点でもあるネーミングの施設、草津温泉も時代に合わせて変わっていくしかないのかもしれないが、やはりここを中心に草津温泉は成功してほしいと思う。