2013年2月9日土曜日

藪塚温泉「ホテルふせじま」

 群馬県は、沢山の温泉があり、関東の中でも栃木県と並ぶ温泉王国の県である。他の県から見ると何処を掘っても温泉が出るイメージで、何処にでも温泉地があると思うけど、実際には、群馬県の東部地域の東毛地域は、これといった温泉がなく、同じ群馬県でも名だたる温泉地がある県北部地域の北毛地域と比べても、同じ群馬県とも思えないほど温泉として貧弱な地域である。
 しかし、藪塚温泉だけは、その中で1000年以上続く温泉で周辺の住民だけでなく遠方から多くの人が訪れるほど人気の高い温泉である。

 しばらくぶりに入浴してみて、やはりお湯が別格なほど良い、PH8.6の0.5gアルカリ性単純温泉(Na-HCO3)で、泉温も16.5℃と温泉法では、ここまででは引っかからないがやはりメタケイ酸の項で規定温泉となっている。このブログで度々紹介しているメタケイ酸の温泉なのだ。特にここのメタケイ酸の質がよく、メタケイ酸独特の白く丸いメタケイの結晶がみられ、温泉の湯色も殆どわからないくらい白く濁っている感じがする。
 日本全国湯めぐりをしていると時々遭遇するが関東では、珍しくあまり気がつかないがここ藪塚温泉だけの特徴なのかもしれない。
 当然純重曹泉系の温泉だがそれが微塵も感じさせないほど、メタケイの成分を強く感じられる温泉だと思う。
 メタケイ酸独特のやや刺激のある入浴感で、湯上り後も心地よい疲労感の伴う温泉で、温まり方もかなりあるので温泉としての満足度は高いと思う。

 湯使いも循環湯だが、挿し湯も多いのかも知れず結構な鮮度感が得られ、泡付もあるほどで、なかなかよい低温泉としては十分な合格点が与えられる。館内も綺麗に清掃されていて、結構充実した湯浴みが出来る良施設である。只、日帰り入浴時間が10;00~16:00まで短いのと1100円と少し高い料金がネックである。
 東京の黒湯温泉銭湯もほぼ同じような温泉であり、良い温泉であるが、やはりここ藪塚温泉と比べると見劣りするのは、メタケイ酸の質の違いかもしれない。最近では温泉分析書と入浴感がぴたりと一致するが、このような非隔離成分の温泉の質感までは、どうしても数値に置き換えられないかもしれない、そこがまた楽しいことである。

 東京浅草から東武鉄道で特急両毛号で藪塚駅まで直通している、東京からでも交通の便は結構いい、1000年も続く温泉には、絶対に理由がある。当然温泉が格別いいのが主な要因である。
三山温泉はちょっと遠いが、こちらからは交通の便がいいので、本物のメタケイ温泉に是非入浴してみては如何と思います。温泉への興味が更に増すかもしれません。